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「部下のキャリア支援ができる管理職が育たない」

─大手設備関連業が挑んだ800名規模のキャリア支援研修事例─

新任管理職研修を行う目的・実施すべきケース・具体的な方法

「社員にはキャリア自律を求めているのに、それを受け止める管理職側にキャリアについて対話する力がない」

「社員にはキャリア自律を求めているのに、それを受け止める管理職側にキャリアについて 対話する力がない」──国内大手の設備関連業を営む企業(以下、C社)は、こうした課題を抱えていました。

 株式会社キャリアリーダーシップラボでは、この課題に対し、C社の管理職(課長層を中心に 部長層を含む)約800名を対象としたキャリア支援研修を設計・実施しました。本記事では、 社員向けキャリアデザイン研修の効果を最大化するために「管理職のキャリア支援力」を強化 するという切り口で研修を企画した経緯と、20クラス・オンライン・2名講師体制という大規模 運営の具体的な設計、ケーススタディとロールプレイを組み合わせたプログラム内容までを、 実施担当の森田の解説をもとにご紹介します。

キャリアデザイン研修をお考えならキャリアリーダーシップラボへ

企業の持続的な成長には、自律的に考え行動できる人材の存在が欠かせません。キャリアリーダーシップラボでは、京都を拠点に、全国の企業へ向けて組織の課題に合わせたキャリアデザイン研修を提供しています。

研修内容を企業ごとに調整できる柔軟な対応を特徴とし、管理職研修やリーダーシップ強化、ビジネススキル向上など幅広いテーマに対応しています。対面研修に加え、オンラインやハイブリッド形式での実施も承ります。

ご相談の際には研修の目的や課題を整理したうえで、カリキュラムと実施プロセスをご提案します。研修に関するご質問やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

研修実施の背景 「戦略ドメインの拡大」と
「ピープルマネジメントへの要請」

新任管理職に求められる役割・管理職研修の目的とは?

C社がキャリア支援研修に踏み切った直接のきっかけは、企業成長に向けた新たな戦略ドメイン の構築でした。

 事業の幅を広げていく中で、C社ではすでに社員一人ひとりを対象としたキャリアデザイン研修 を導入し、社員が自らキャリアを考える機会を提供していました。しかし、社員が主体的にキャリアを考えられるようになっても、それを日常的に受け止め、 後押しする管理職の関わりが伴わなければ、キャリア自律は組織に根づきません。ここに、 C社が抱えていたもう一つの課題がありました。

 背景には、管理職に求められる役割そのものの変化があります。

 • タスクマネジメントへの偏重 ─ これまで管理職は、業務の進捗管理や目標達成といった 「タスクマネジメント」を中心に評価されてきた。
• ピープルマネジメントの重要性の高まり ─ 一方で、メンバー一人ひとりの成長支援や キャリア形成への関与という「ピープルマネジメント」の比重が、時代とともに増している。

 C社の管理職の多くは、こうしたピープルマネジメントの経験が十分ではありませんでした。 部下のキャリアについて対話し、部下自身の可能性を拡げる関わりができる状態をつくること。 これが、今回の研修の狙いとなりました。

 

お取引の経緯 ── 3年間の実績と信頼の積み重ね

C社と当社のお付き合いは、3年前の新規のご依頼から始まりました。

以降、C社の他の研修を継続的に担当させていただく中で実績を重ね、その都度いただく ご要望に粘り強く対応してきたことが、信頼関係の構築につながっています。

 今回のキャリア支援研修も、ゼロからの新規提案ではなく、これまでの実績と信頼をベースに、 新たな戦略ドメイン構築というタイミングに合わせてご相談いただいた形での依頼でした。

研修プログラムの設計 ─800名規模を、20クラス・オンラインで支える

項目 内容
対象者 C社の管理職(一般社員を部下に持つ課長層が中心、部長層を含む)
受講者数 約800名(20クラス)
1クラスあたり受講者数 約40名
実施時間 13:00~17:30 (4時間30分)
担当講師 当社・森田ほか1名の計2名体制
実施形式 オンライン形式
研修の中核テーマ──「キャリア支援者としての管理職」を育てる 

今回の研修の最大のテーマは、管理職自身が「キャリア支援者」としての役割を自覚し、
実践できるようになることです。

 事前のヒアリングから、C社の管理職には次のような課題が見えていました。

• キャリア支援として何をすればよいのか分からない
• 部下自身が自分の言葉でキャリアを語れるよう支援することが難しい
• 部下の話を深く聞く前に、つい自分の経験からアドバイスしてしまう
• ダイアログ(対話)とディスカッション(議論)の違いが分からず、結論を急ぐ ディスカッション中心の会話になってしまう

 いずれも、悪意や怠慢からではなく、「ピープルマネジメントの型」を学ぶ機会がこれまで なかったことに起因する課題です。

キーメッセージ ── 「キャリア支援者としての4つの役割」

研修のキーメッセージとして、管理職が担うべき4つの役割を明示しています。

  1. 言語化を支援する役割 ─ 部下自身が、自分の経験や志向を自分の言葉で語れるよう 手助けする。
  2. 視野を広げる役割 ─ 管理職自身のロールモデル提示も含め、部下が知らない選択肢や 可能性に気づかせる。
  3. 学習・経験機会を提供する役割 ─ 部下の成長につながる仕事や学びの機会を、 意図的に用意する。
  4. よき相談者となる役割 ─ 仕事上のキャリアだけでなく、ライフキャリアも含めて 相談できる存在になる。

 これらは特別なスキルというより、管理職が「意識して担うべき役割」として言語化した ものです。

 4ステップで「支援の型」を体得させるプログラム構成

半日の研修を、次の4ステップで構成しており、「役割を知る→自分ごと化する→客観的に考える→実際にやってみる」と段階を踏むことで、 インプットで終わらせず、行動につながる体験に落とし込むことを狙っています。

 

ステップ 内容 ねらい  
STEP1役割理解 キャリア支援者としての4つの役割をインプット 管理職に求められる役割の全体像を理解する  
STEP2役割設定 自分自身がどの役割を担えているか/担えていないかを整理 学びを「自分ごと」として引き寄せる  
STEP3ケーススタディ  リアリティのある部下のキャリア課題を題材に検討 「こういう部下、実際にいそう」という実感を持たせ、キャリア課題を客観的に捉えるトレーニングを行う  
STEP4ロールプレー ペアで部下役・上司役に分かれて対話を実践 部下役の体験を通じて部下の感情を理解し、上司役では「つい話してしまう」自分の癖に気づく  

  1. 受講規模800名・20クラスと「2名講師体制」の設計判断

新任管理職研修が向いているケース

800名規模の研修を、なぜ2名の講師体制で運営したのか。

 「多くのクラス数に対応する必要があったことに加え、リスクヘッジの意味もあって2名体制に しました。基本的には同じ内容をインストラクションしますが、講師によって使う例え話は 変わってくるので、  それが研修全体の幅広さにもつながっています」── 森田

 また、今回はオンラインでの実施です。オンラインならではの難しさと工夫について、森田は 次のように語ります。

 「オンライン研修はどうしても画面越しになるので、ライブ感に欠けがちです。だからこそ、 インタラクティブな進行や、場を盛り上げる工夫をあちこちに取り入れています。一方で オンラインには利点もあって、グループディスカッションの内容を可視化・データ化しやすい んです。そのアウトプットを持ち帰って、現場での実践のヒントにしてもらえるようにして います」── 森田

大人数・オンラインという制約を、「弱み」ではなく「可視化されたアウトプットを持ち帰れる」 という強みに転換している点が、今回の設計の特徴です。

実施後のフィードバック ── アンケート・チャット分析から

フォローアップ提言まで

研修の価値は、当日の研修時間だけで決まるわけではありません。B社のケースでは、研修終了後、受講者アンケートの回答とチャットコメントを分析し、受講者全体の気づき・学びの傾向を整理した上で、今後のフォローアップに関する提言までを含めたレポートとして納品しています。

研修内で言語化された「ありたい姿」「なりたい姿」を、研修後の職場でどう本人・上長がフォローしていくかまで見据えた提言を添えることで、単発のワークで終わらせない設計にしています。

この事例から見えること ─管理職研修に求められている3つの変化

今回のC社事例を、他社の管理職研修の取り組みと並べて見ると、管理職に求められる役割の 変化に伴い、管理職研修にも3つの変化が同時に起きていることが見えてきます。

変化の軸 従来の研修 現在(C社事例での対応)  
管理職の役割 タスクマネジメント中心 ピープルマネジメントも重視  
キャリア支援の主体 人事部・育成部門が主導 現場の管理職が担う  
研修設計思想 知識インプット型 ケーススタディ・ロールプレー中心の体験型  
キャリア支援の主体は現場の管理職であることへの腹落ち

特に「キャリア支援の主体が現場の管理職に移る」という変化は、管理職一人ひとりが 「自分がやるべきことだ」と腹落ちできるかどうかが、制度や方針を機能させる鍵になるという、 当社なりの学びでもあります。

まとめー800名規模でも「実践につながるキャリア支援研修」は設計できる

• 大手設備関連企業の管理職約800名に対し、キャリア支援研修を20クラス・オンラインで実施。
• 戦略ドメイン構築に伴う社員向けキャリアデザイン研修の効果を高める狙いから、 「管理職のキャリア支援力強化」をテーマに据えて設計。
• 役割理解→自分ごと化→ケーススタディ→ロールプレイの4ステップで知識だけでなく行動につながる体験を提供。
• 納品は実施報告書とし、アンケート・チャットの分析結果と、社内フォローアップへの 橋渡しを含めて提供。

 「800名規模でキャリア支援研修を行うのは難しいのでは」と感じられる方もいらっしゃる かもしれません。しかし今回の事例が示すのは、大規模であっても、講師体制とオンラインの 特性をうまく組み合わせれば、一人ひとりが手を動かし、実感を持って学べる研修は十分に 成立するということです。

 キャリア支援は、一部の管理職が持って生まれた資質ではなく、組織として全管理職に 身につけさせるべきスキルです。事業環境が変化し、社員のキャリア自律がますます求められる 中で、管理職に求められるピープルマネジメントスキルの重要性は、今後さらに高まっていくと 考えられます。当社としても、こうした事例を積み重ねながら、管理職がキャリア支援者として 機能する組織づくりを支援していきたいと思います。

著者プロフィール

森田(株式会社キャリアリーダーシップラボ 代表取締役) 長年、大手企業を中心に評価者研修・キャリアデザイン研修・マネジメントコーチングを提供。特に大手通信グループ企業・大手ハウスメーカー企業・大手建設系企業など、毎年継続的に依頼を受けるクライアントを複数抱え、大規模研修も講師陣とともに設計・実施してきた実績を持つ。

成果につながるキャリアデザイン研修内容を設計するポイント

効果的なキャリアデザイン研修内容を設計するためのポイントは、受講後の行動変容をしっかりと見据えた仕組み作りにあります。研修を一度きりのイベントで終わらせないために、企業の経営戦略と個人のキャリアビジョンを深く連動させるプログラム構成が欠かせません。具体的には、研修前の課題設定や受講後のフォローアップを組み合わせることで、学んだ内容が日々の業務へ定着しやすくなります。

キャリアリーダーシップラボでは、それぞれの企業様が直面している課題・目的に合わせてカリキュラムを柔軟にカスタマイズいたします。事前の丁寧なヒアリングを通じて、従業員の皆様が主体性を持って未来を描ける魅力的な研修をサポートいたします。

【Q&A】キャリアデザイン研修についての解説

Q1.キャリアデザイン研修の内容にはどのようなものが含まれますか?

A.自己分析を通じて自身の強みや価値観を言語化するワーク、年代別の課題に応じたキャリアビジョンの策定、具体的な行動計画(アクションプラン)の作成などが中心です。

Q2.キャリアデザイン研修が導入されている理由は?

A.終身雇用制度の変容によるキャリア自律の必要性や、人的資本経営への注目、労働力不足を背景とした離職防止(リテンション向上)が主な要因です。従業員の成長意欲を組織の成果につなげる戦略的な教育として導入されています。

Q3.研修を実施することの目的は?

A.従業員の内発的な動機付けが促され、エンゲージメントの向上や生産性の改善が期待できます。また、経営戦略と個人のキャリアの方向性が統合し、組織全体のレジリエンス(適応力)が高まります。

Q4.キャリアデザイン研修はどの階層・年代を対象に実施できますか?

A.若手社員から管理職、50代のベテラン層まで、すべての階層を対象に実施できます。ただし、キャリアステージによって直面する課題が異なるため、階層別に内容を設計することが重要です。若手には主体性の発揮と将来ビジョンの構築、中堅・管理職には専門性の深化と役割の再認識、50代には役職定年後の貢献スタイルの再定義といった、それぞれの課題に応じたプログラムをご提案します。

Q5.キャリアコンサルティング(個別面談)との違いは何ですか?

A.キャリアコンサルティングは、個人の状況や悩みに個別対応する1on1の面談形式です。一方、キャリアデザイン研修は複数の社員が同時に受講するグループ形式で、自己理解やキャリアビジョンの策定を体系的に進めます。研修で自己理解と方向性を固め、その後の個別面談でさらに深掘りするという組み合わせが、最も効果的なアプローチです。弊社では両方のサービスをご提供していますので、ご要望に応じて組み合わせることも可能です。

Q6.社員が「キャリア研修に参加したくない」場合、どう対処すればよいですか?

A.抵抗感の多くは「また会社からやらされる研修だ」という受動的なイメージに起因します。研修の冒頭で「会社のためではなく、あなた自身の将来のための時間」であることを丁寧に伝えること、そして心理的安全性の高い場をつくることが有効です。弊社の研修では、受講者が自分の言葉でキャリアを語れる対話型のワークを重視しており、「受けてよかった」という感想を多くいただいています。

Q7.キャリアデザイン研修と離職防止はどのように結びつきますか?

A.離職の主要因の一つは、「この会社で働き続ける意味・将来が見えない」という閉塞感です。キャリアデザイン研修を通じて、社員が自社でのキャリアビジョンを自ら描けるようになると、仕事への意味づけが深まり、組織へのエンゲージメントが高まります。特に入社3〜5年目の中堅若手層や、役割が変わる転換期の社員に対して早期に実施することが、離職防止に高い効果をもたらします。

Q8.研修は何回・どのくらいの期間で実施するのが効果的ですか?

A.1回完結型(半日〜1日)でも一定の気づきは得られますが、行動変容を定着させるには複数回に分けた設計が理想です。例えば「自己理解→キャリアビジョンの策定→アクションプランの実行→振り返り」を数週間〜数ヶ月かけて行うことで、研修が日常業務と結びつき、より深い変化を生みます。貴社の研修予算やスケジュールに合わせて、最適な実施回数・期間をご提案します。

管理職に向けた研修ならキャリアリーダーシップラボへ

名称 株式会社キャリアリーダーシップラボ
代表者 代表取締役 森田 祐司(もりたゆうじ)
中小企業診断士/2級キャリアコンサルティング技能士
オフィス 〒600-8099 
京都府京都市下京区仏光寺通烏丸東入上柳町331 タカノハスクエア4F
お問合せメール y.morita@careerleadership.jp
代表番号 050-1809-0258
主なサービス 人材開発、キャリア開発、組織開発に関するコンサルティング、企業研修
URL https://careerleadership.jp/

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